コラム
小学校における防災教育の重要性│災害への対応力を養うために
公開日2019.07.01
更新日2022.01.31

小学校における防災教育の重要性│災害への対応力を養うために

学校では地震・台風・火災といった災害に備えて、定期的に避難訓練が行われています。東日本大震災の被災地の学校では、津波を想定した避難訓練を計画的に繰り返し実践していたことから、子どもたちが自分の判断で無事に避難した事例が多く見られました。災害時にあわてず即座に適切な行動をとれるように慣れておくことが大切です。いつやってくるかわからない災害に備えて、生徒が自身の大切な命を守れるように学校における防災教育の重要性が再認識されています。

小学校における防災教育の重要性

●防災教育とは

防災教育とは災害発生のメカニズムや対策に関する基礎知識を学び、災害から生き抜く力と身近な人を助けて地域に貢献できるような人材を育てることです。自然災害に対する科学的知識と理解を深めて、根拠のない迷信や俗説を打破しておく必要があります。幼稚園から中学生・高校生にかけて段階的に学んでいけるような環境作りが大切です。災害時に想定される危険を認識し、自らの安全を確保するための知識を深め、学校や通学路にどんな危険が潜んでいるのか推測することが大切で、危険を察知する力を養います。災害発生時にほかの人々や地域の安全に役立てるように成長するためにも知識を取得する必要があります。

●小学校における防災教育の課題

東日本大震災をきっかけに、防災教育の重要性が再認識されるようになり、文部科学省では学校教育や地域の防災活動の中で、発達段階に応じて防災教育を行うことを推進しています。現在は学習指導要綱をもとに理科・社会・体育・保険などの教科教育の中で行われています。防災教育に取り組む学校は増えていますが、有用な教材や指導案が少なく、授業で取り扱う際には指導に関わる教職員の知識不足が問題になることもあります。

小学校で行う主な防災教育

●教科教育での防災教育

【社会】
災害時に活躍する地域の消防署を見学し、施設や設備を観察したり、そこで働く人から聞き取りを行い、日々の取組や緊急事態に対する備え、組織的な対処方法などを調べておくことで防災に対する理解が深まります。自分が住んでいる地域の避難場所や安全な通学ルートを確認しながらハザードマップを作成し、それを活用しながら避難方法について話し合うといったカルキュラムは防災についての意識を高めることができます。

【理科】
地震・噴火・台風といったそれぞれの自然災害で、どのような被害が発生するのか、メカニズムを理解し、山間・河川など土地の特徴によって起りやすい被害を把握しておくことが大切です。関東大震災・阪神淡路大震災・東日本大震災の教訓を生かし、被害状況や復興状況などを知っておくことも重要です。

【家庭科】
防災管理について考えるきっかけになるよう、非常時の持出袋を作成すると良いでしょう。避難のときに大事なものを持ち出せるように、非常食・救急箱・ラジオなど必要なものを整理して揃えておきましょう。メールや電話が使えないときのことにも備え、家族の集合場所も決めておきましょう。

国土交通省 気象庁のホームページには防災教育に使える副教材・副読本ポータルサイトがあり、防災教育支援に係る副教材・副読本が公開されています。内容も充実していて自由にダウンロードできますので、このような教材を指導資料として活用していくと良いでしょう。

●避難訓練を通じた防災教育

地域によって、避難訓練の回数は異なりますが、避難訓練を通じて地震発生直後の安全確認、校内の避難経路の確認、教員間の連携の取り方、安否確認システムのテストなど実際の災害時を想定し実践的な動きを習得できるようにすることが大切です。

●防災に関する社会のかかわり

日本では地震・津波・土砂災害・雪害など様々な自然災害が起こりやすいこと、その被害を防止するために国や都道府県が対策を行っていることを調べると良いでしょう。児童生徒が生活する地域においても、市区町村が火災や水害などを防ぐために、保健所・診療所・水防団などを作りさまざまな活動をしています。大きな災害の時には国民の命を守るために、自衛隊やレスキュー隊が出動し助けてくれることもあり、自分の生活は国や地元の人々の力により成り立っているということを認識することで、被災時の地域活動への関わり方が変わってきますので、このような背景を伝えていくことも重要です。

災害時の情報共有を迅速化する安否確認システム

●安否確認システムとは

災害時に生徒と先生の間で迅速に安否確認を行えるようにする情報共有システムで、登録してあるアドレスに一斉にメールを送信することができます。生徒の安否状況をリアルタイムで確認することができ、災害時には電話回線がつながりにくくなるケースが多いですが、安否確認システムはインターネット回線を使用しており、インターネット環境が維持されていれば連絡がとりやすいツールと言えます。

●おすすめの安否確認システム「エマージェンシーコール 学校連絡網」

エマージェンシーコールは学校から連絡事項を一斉に発信することのできる連絡システムです。登録されたメールアドレスへ一斉に情報を送ることができます。学校・保護者間や学校・生徒間などいろいろな使い方ができます。一方的な連絡だけでなく、質問形式のやりとりも可能です。「家は被災していますか」という質問に対し「無事です」「被災しています」との2択の回答を準備して集計する、といった活用方法もあります。確認操作が行われるまでに繰り返し連絡する機能があり、高い回答率を維持しています。

導入時に設備投資が不要で、インターネット環境とパソコンがあればすぐに導入することができます。情報発信者・受信者、双方の利用者を対象としたサポートサービスも行っており、スムーズな導入をお手伝いいたします。個人情報はセキュリティーセンターで管理しており、個人情報の登録は保護者や生徒が行う形になりますので、大切な情報を学校側で管理する必要がなくなります。

学校防災能力を向上させ災害の程度を軽減

災害による被害軽減を実現するためには、学校防災能力を向上させる必要があります。そのためには学校での防災教育を教育課程と位置づけ、定期的に安全指導を実施することが大切です。今後起こりうる自然災害について実践的な防災訓練を実施することで、災害の程度を軽減させることができるように、学校が中心となり安全教育を行っていくことが大切です。

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