コラム
オゾンを利用した除菌やウイルス除去とは?そのメカニズムと活用方法
公開日2022.01.06
更新日2022.01.06

オゾンで除菌やウイルス除去?そのメカニズムと活用方法

新型コロナウイルスにより多くの人が仕事や私生活に大きな影響を受けて、人々の除菌やウイルス除去に関する関心が高まっています。除菌やウイルス除去を行うためにはさまざまな方法が紹介されていますが、今コラムでは近年注目されているオゾンによる除菌およびウイルス除去のメカニズムについて、わかりやすくお伝えしていきたいと思います。

オゾン層から学ぶオゾンの性質

オゾンとは?

オゾンとは酸素原子(O)が3つ結合した酸素の同位体(O₃)です。低濃度では無色、高濃度になるとうっすらとした青色をおびてきます。オゾンと聞いて最初に思い浮かぶのは「オゾン層」ではないでしょうか。オゾン層が地球になければ、太陽から放出されている紫外線を直接浴びることとなり、生物は地上で生きることができません。オゾン層のオゾンは生物が地上で活動ができる程度に、紫外線を吸収する役割を担っています。

オゾン層が有害な紫外線を吸収分解するしくみ

紫外線はA波(UV-A)・B波(UV-B)・C波(UV-C)の3種類があり、人体に有害なのはA波とB波です(C波はもともと大気を通過できません)。成層圏(高度10~50kmほどの上空)のオゾン層では、酸素分子(O₂)が紫外線C波を吸収・分解することで酸素原子(O)が発生します。それが他の酸素分子(O₂)と結びつくことでオゾン(O₃)が生成され、このオゾン(O₃)がB波を吸収しているというしくみです。

オゾンは高濃度では有害

地球のオゾンは成層圏に9割ほど存在し、成層圏の下の対流圏に残りの1割が存在します。オゾン層のオゾン濃度は2~8ppmで、このような高濃度のオゾンは生物に悪い影響を与えますが、成層圏と対流圏は空気が混じりあいにくく、対流圏の中にいる生物は安全です。地上では、かなりの低濃度(0.005~0.01ppm)で森林・滝・海岸などに存在しています。このような自然環境で空気がすがすがしく感じるのはオゾンの作用の影響かもしれません。

オゾンの「ニオイ」は?

コピー機(複合機)から出る光には紫外線が含まれていて、わずかな量のオゾンを発生しています。オゾンの臭いはコピー機で大量に印刷やコピーをしたときの臭いに似ていると感じる方もいるようです。静電気式空気清浄機でもコロナ放電によりオゾンが発生するため同様の臭いが感じられることがあります。

オゾンによる除菌・ウイルス除去のメカニズム

オゾン層でオゾンが紫外線を吸収分解しているように、オゾンは近くにある細菌やウイルスと結びつき分解(破壊)する働きを持っています。

オゾンによる除菌

細菌の構造は、中心に染色体(遺伝情報の発現と伝達を担う)、その外側にタンパク質と脂質からできている細胞膜があり、さらにその外側を硬い細胞壁が内部を守っています。空気中のオゾンは水分などと反応して酸化力の強い活性酸素を生成します。この活性酸素が細菌の硬い細胞壁や細胞膜を酸化分解していき、細菌の多様な部分を破壊していきます。塩素の約6倍の除菌効果があると考えられています。

オゾンによるウイルス除去

ウイルスを大まかに分類するとDNAやRNAといった遺伝子を中心にして、それをエンベロープと呼ばれる膜状の構造で囲んでいる「エンベロープウイルス」と、エンベロープを持たずタンパク質でできたカプシドといわれる殻でおおわれている「ノンエンベロープウイルス」があります。オゾンはウイルスが宿主の細胞に結合するのを助ける役割を果たすエンベロープやカプシドを酸化分解し、さらにDNAやRNAを酸化分解して不活化します。これによりウイルスは増殖することができなくなると考えられています。

オゾンによる除菌やウイルス除去のメリット

除菌時のメリット|耐性菌が発生しにくい

塩素(次亜塩素酸ナトリウム)などによる細菌の除去は、耐性菌を発生しやすいという指摘があります。塩素(次亜塩素酸ナトリウム)は細胞壁を通過して核酸を攻撃しますが、遺伝子の変異や獲得により抵抗力のついた細菌が確認されています。抗菌性の物質を分解したり、細胞内への侵入を防いだり排出したりするなど、耐性のメカニズムは色々な種類があることも手伝って、耐性菌への変化が容易であると考えられています。

ウイルス除去時のメリット|ノンエンベロープウイルスにも有効

アルコール除菌はノンエンベロープウイルスにはあまり効果を発揮しません。カプシドと呼ばれる硬い殻はアルコールが効きにくいからです。エンベロープを有しないウイルス(例:ノロウイルス・ロタウイルス)に対しては、塩素(次亜塩素酸ナトリウム)が良く使われています。オゾンはこのようなノンエンベロープウイルスにも有効で、ウイルスのDNAやRNAを酸化力により不活化させることができると考えられています。

手間をかけない感染対策ができる

細菌やウイルスの感染経路には、主に飛沫感染空気感染接触感染などが挙げられます。飛沫感染や空気感染には「換気」「加湿器」などが有効ですが、接触感染には効果が見込めません。反対にアルコールや塩素を使用した「ふき取り除菌」では接触感染には有効ですが、飛沫感染や空気感染には無効です。オゾンはオゾン発生器を利用することで、飛沫感染・空気感染・接触感染の全ての感染リスクを低下させることが期待できると考えられていますので、手間をかけずに感染対策を行うことが可能です。

オゾンを活用した除菌に最適なオゾン発生器

オゾンを除菌やウイルス除去に活用する際におすすめのオゾン発生装置がエアクリーンNYCです。オゾンの強い酸化力を利用して、空間に浮遊したり物に付着したりしている菌やウイルスを不活化します。空間の広さに合わせてオゾンを適正濃度発生させることができ安心・安全にお使いいただけます。オゾンは他の物質と結びついて酸素に戻りやすい性質がありますが、エアクリーンNYCは高性能のオゾナイザーを搭載し長時間安定的にオゾンを空間へ供給します。

オゾンを活用し除菌・ウイルス除去を安全に行いましょう

オゾンには除菌・ウイルス除去に有効であることに加えて脱臭効果にも優れているので、快適な空間づくりには最適な手法だと思います。これから研究が進み解明される部分もあるかと思いますが、現時点でわかっているオゾンの特徴を理解して、空間の細菌やウイルスの除去を安心安全に行いましょう。

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