コラム
オフィスにおける除菌とは?感染経路と除菌方法についてご紹介
公開日2022.01.05
更新日2022.01.05

オフィスにおける除菌とは?感染経路と除菌方法についてご紹介

新型コロナウイルスの影響で、細菌やウイルスなどの対策に注目が高まっています。家庭ではもちろんのこと、いろいろな人が集まるオフィス内でも衛生対策を行って、安全な空間で安心して仕事に取り組みたいですね。今回のコラムではオフィスにおける除菌方法についてお伝えしていきたいと思います。

そもそも・・・細菌とウイルスの違い

対策する相手は細菌やウイルスです。普段はあまり意識していないかもしれませんが細菌とウイルスは全く異なりますので簡単に触れておきたいと思います。

細菌

栄養を使って自分と同じものを複製し増殖する単細胞生物です。一般的に、細菌の細胞を破壊するペニシリンなどの抗生物質が有効だと考えられています。ただし抗生薬での治療は薬剤耐性菌が出てくる可能性があります。人に有用な細菌もあり皮膚の表面や腸などの中にも存在しています。結核菌・赤痢菌・大腸菌・ブドウ球菌・コレラ菌などがあります。細菌のサイズは以下の表に代表的なものを示します。

種類 サイズ|㎛
結核菌 棒状  0.3~0.7㎛×1.0~9.0㎛
赤痢菌 棒状 0.4~0.6㎛×1.0~3.0㎛
大腸菌 棒状 0.5~0.7㎛×2.0~4.0㎛
ブドウ球菌 球体 0.8~1.0㎛
コレラ菌 棒状 0.3~0.6㎛×1.0~5.0㎛

1㎛(マイクロメートル)は1000分の1㎜(ミリメートル)です。

ウイルス

遺伝子(DNA・RNA)をタンパク質の殻でつつんだ構造です。細菌の50分の1程度の大きさで細胞をもっていません。自ら生命活動を行うことはなく、細胞を宿主として複製することで増殖します。感染した細胞の中でウイルスが増殖し他の細胞へ移動していきます。一般的な抗生物質は効き目がありません。アデノウイルス・インフルエンザウイルス・コロナウイルス・ノロウイルス・ライノウイルスなどです。ウイルスのサイズは細菌よりさらに微細です。

種類 サイズ|㎛
アデノウイルス 0.09~0.1㎛
インフルエンザウイルス 0.08~0.12㎛
コロナウイルス 0.06~0.14㎛
ノロウイルス 0.03~0.36㎛
ライノウイルス 0.03㎛

1㎛(マイクロメートル)は1000分の1㎜(ミリメートル)です。

空気感染と接触感染の違い

さまざまな経路から感染は発生します。主な感染経路についてご紹介します。

飛沫感染

5㎛(マイクロメートル)程度の飛沫咳に付着して浮遊している細菌やウイルスが目・鼻・口などから吸い込み、人の粘膜に付着することで感染してしまうケースです。

空気感染

細菌やウイルスは、飛沫が乾燥して残っていたり、物に付着してたりしていています。これらが微細なチリやホコリに吸着して舞い上がり空気中に浮遊します。落下せずに空気中に浮遊していると、目・鼻・口などから人の粘膜に付着することで体内への侵入を許し感染してしまうケースです。

接触感染

感染者が触った場所に、細菌やウイルスが残ります。その場所に別の人が手などで触れて、その手で目・鼻・口などを触ることで細菌やウイルスが人の粘膜へ移動し感染するケースです。オフィスでは出入口のドアノブや照明のスイッチ、パソコンのキーボードや電話の受話器などにウイルスが付着しています。

オフィスにおける除菌方法

換気

オフィス内の空気を外気と入れ替えることで人に悪い影響を与える細菌・ウイルスといった物質を外に排出したり薄めたりすることで感染リスクを抑えます。一般的なエアコンは室内の空気を吸い込んだ後に、空気を暖かくしたり冷たくしたりして室内に戻すため換気にはなりません。建築基準法において機械換気設備を設置することが義務付けられており、よほど古い建物でなければこのような設備で室内と室外の空気を入れ替えています。機械換気に加えて人が集まる会議室や食堂のような場所ではドアや窓を開けて定期的に空気を入れかえると空気感染に対して効果的でしょう。換気は空気感染に対してのリスク低下効果が期待できます。

ふき取り除菌

1.アルコール除菌

オフィスでは多数の人がいろいろなものを共有して使用します。ドアノブ・エレベーターのボタン・電気のスイッチパネル・電話機・お手洗い内の設備などです。このような場所に細菌やウイルスが付着していると感染リスクが高くなります。アルコール(濃度70%以上95%以下の消毒用エタノール)を使いペーパータオルなどで拭きます。引火の可能性がありますので空間噴霧はしないように注意してください。接触感染に対してのリスク低下効果が期待できます。

2.塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)除菌

次亜塩素酸の酸化作用により細菌やウイルスを不活化します。市販されている漂白剤を次亜塩素酸ナトリウムの濃度が0.05%になるように薄めて拭き、その後に水拭きをします。目に入ったり、皮膚についたりしないように注意してください。酸性のものと混ぜると塩素ガスが発生して危険です。金属製のものは腐食する可能性があります。

塩素系漂白剤で良く知られている「ハイター」や「キッチンハイター」は次亜塩素酸ナトリウムの濃度は6%です。この液体を使い次亜塩素酸ナトリウムの濃度が0.05%になるようにするためには、500mlのペットボトルのキャップに1杯と500mlの水を混ぜるとおおよそ濃度が0.05%になります。希釈したものは時間の経過とともに効果がなくなっていきますので、その都度希釈して使用するようにしましょう。

※ふき取り除菌を行う際の注意点
対象物表面への直接噴霧は細菌やウイルスが舞い上がる可能性がありますので、ペーパータオルなどに液体をしみ込ませて拭くようにしましょう。ふき取りは同じ方向に進ませてください。上下左右に戻さないように注意しましょう。1回ふき取るごとにペーパータオルは廃棄して新しいものを使うようにしてください。使いまわしを続けるとペーパータオルに付着していた細菌やウイルスを次の場所に付着させてしまい、感染リスクが高くなる可能性があります。同じ雑巾の使いまわしも避けたほうが良いでしょう。雑巾などを使いまわすと、きれいにしたつもりが反対に菌やウイルスを別の場所に拡散させてしまうことがあります。

空気清浄機

空気と一緒に微粒子を吸い込みフィルターに吸着して、きれいになった空気を吐き出します。フィルターに吸着するだけでなく、空気清浄機内部で細菌やウイルスを分解するとされる機能をもった商品もあるようです。一般的な商品は空気中に浮遊している物質に対して有効ですが、物に付着している物質に対しては効果がないと考えられています。フィルターは3~5年で交換が必要になります。

ここでは、少し気になる点を挙げておきたいと思います。多くの空気清浄機に搭載されているHEPAフィルターは0.3㎛(マイクロメートル)の微粒子に対して99.97%の捕集効率があるとされています。そしてウイルスは5㎛(マイクロメートル)の飛沫咳に付着して浮遊するため有効とされています。しかし飛沫咳が乾燥して舞い上がった場合はどうでしょうか。特に冬場は乾燥していますから、いろいろな場所についた飛沫咳は乾燥して舞い上がれば、ウイルス本来のサイズで空気中に漂うと考えてもおかしくはないはずです。フィルター吸着のみの製品では、細菌は吸着されますが、ウイルスへの効果はどうなのだろうかという疑問が残ります。

加湿器

乾燥すると細菌やウイルスが浮遊しやすくなります。また、空間の乾燥による影響で鼻・口・喉などの粘膜が乾燥すると防御機能が低下し細菌やウイルスに感染のリスクが高くなります。室内の湿度が50%を下回ると羅漢率が上昇するという研究もあるようです。細菌やウイルスの感染対策として適度な湿度は50~60%といわれています。乾燥する冬場ではあまり発生しないケースですが、過度な過湿(湿度65%をこえるなど)ではカビが生えて人体に有害な別の菌が発生しますので注意しましょう。加湿器は空気感染に対して有効だと考えられています。

オゾン発生器

オゾンが本来持っている強い酸化力という特長を生かして、細菌やウイルスを不活化します。オゾン濃度が高いと人体に悪影響を与えますので、オゾン発生器の選び方や使用時の濃度に注意してください。人がいない場所で使われることを用途にしている機械と、人がいる場所で使われることを前提にしている機械があります。日本産業衛生学会が発表している「許容濃度等の勧告(2021年度)」では、オゾン濃度0.1ppm(0.2mg/m³)以下と定められています。空間にオゾンを発生させますから、空気中の細菌やウイルスだけでなく、ドアノブ・コピー機・受話器・スイッチパネルなどに付着した細菌やウイルスに対しても効果が期待できます。空気感染と接触感染両方に有効だと考えられています。

光触媒コーティング

光触媒に光を当てると電子が光エネルギーを受け取って、強力な酸化力が生まれます。この酸化力を用いて細菌・ウイルスなどを除去します。光触媒フィルターを内部に備え付けている空気清浄機や、光触媒を専用の液剤により噴霧して対象物を抗菌・抗ウイルスとする方法があります。

それぞれの対策について期待できる効果

種類 飛沫感染 空気感染 接触感染
換気 ×
ふき取り × ×
空気清浄機 ×
空気清浄機(光触媒フィルタ内臓) ×
加湿器 ×
オゾン発生器
光触媒コーティング × ×

オフィスの除菌におすすめのオゾン発生器

エアクリーンNYCはオゾンの強力な酸化力により、空間の隅々まで除菌を行います。長時間安定的なオゾンを供給し空気感染だけでなく接触感染のリスク低下が期待できます。畳数設定で安全な濃度でオゾンを発生させることができ安心です。お手入れはフィルターとオゾン発生体の清掃のみでメンテナンスも簡単です。

オフィスを上手に除菌して安心安全に仕事に取り組みましょう

除菌対策だけで新たに対応すると考えると面倒に思えますので、普段の掃除に加えて定期的に行うと手間もかからず良いかもしれませんね。ポイントを押さえて上手に除菌対策を行い、安心して安全に仕事に取り組める環境を整えましょう。

おすすめ記事
お電話でのお問い合わせ
メールでのお問い合わせ